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作品ID:261

こちらの作品は、「批評希望」で、ジャンルは「その他」です。

文字数約977文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚


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ふしじろ もひと 


作品紹介




 ふと気がつくと、海の中にいた。



 と言っても、人魚になって優雅に魚と戯れていた、なんていうんじゃない。私は人間のまま、黒く寒々しい海で、必死に、そして無様に、足りない酸素を求めて喘いでいた。



 一応昼間なのだろう、辺りは薄明るいが、空には灰色の雲が私に圧し掛かるようにして重く立ち込めている。波は荒れていて、ゆらゆらと絶えず揺れている水面から弾ける雫や泡が、目や口に流れ込む。立ち漕ぎで出来る限り頭を高くあげて何か摑まれるものを探すが、浮き輪がわりになりそうな大きな板はおろか、ごく細い小枝すら見つからない。服は私を沈めようとするかのように重く纏わりつき、絶えず動かし続けている足だけが唯一、私の体の中で熱を発している。口を開ければ、目を開ければ、けして美味とは言えない塩水が飛び込んでくるのは明らかなのに、開けておかずにはいられない。はあはあと荒い息の合間にも肺は必死に酸素を求めていて、それがどんどん私の呼吸を早くする。ああ、新鮮な、空気が、欲しい。しかし肺に流れ込むのは結局のところ海水ばかり。目にも汗なのか海水なのか、とにかく塩水がじわりと染み込む。ああ、目が痛い。足が、もう駄目だ。あちらから大きな波がやって来る。私はきっと、あれに飲み込まれてしまうんだろう。飲み込まれて、飲み込まれて、飲み込まれて――



 誰かに名を呼ばれたような気がして、私ははっと目を覚ました。背中が汗でじっとりと湿っているのを感じる。ああ、そうか、私は夢を見てたんだ。ほっとするような、拍子抜けするような、とにかくすごい虚脱感が押し寄せてくる。寝息を感じて振り返ると、理沙子ちゃんが半分口を開けて、気持良さそうに眠っていた。理沙子ちゃん家に、泊まりに来てたんだっけ。あまり思い出せないままに左手を伸ばして、目の前にある彼女の流れるような黒髪にそっと触れる。普段はなかなか触れさせてくれない、滑らかなそれ。理沙子ちゃんは口の中で何かを小さく呟いて、ごろりと私に背を向けた。ああ、もう大丈夫だ。唐突にそんなことを思って、そして途端に眠くなる。布団を肩まで引き上げて、丸くなって目を瞑った。理沙子ちゃんのバニラのような甘い香りが、淡く漂う。彼女が優しく包み込んでくれているような気がして、私はふたたび、眠りの中に落ちていった。



作者 梨音
投稿日:2010/11/07 08:27:36
更新日:2010/11/07 08:27:36
『夢』の著作権は、すべて作者 梨音様に属します。
HP『

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