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作品ID:690
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黄昏幻夢

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


三章 二 メイと細

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 細は、硬い表情でメイの手をつかんで歩き始めた。細の雰囲気を悟ったのか、メイは何も言ってこない。

 じーさんは、そんなメイのことをちらちら見ていた。



「……さて」



 じーさんが立ち止まり、細たちのほうを振り返った。

 細は、不安になって、メイの手をぎゅっと握る。すぐに、ぴくっとメイの手がびっくりしたように少しだけ動いて、握り返してきた。

「じーさん。なんでメイをまきこむんだ? 関係ないだろ」

 細の言葉に、じーさんは少し悲しそうな顔をしながら、細に魔術士のことを言ったときのような雰囲気で口を開いた。

「……細。魔術士にはやってはならんことがある。なんだか分かるか?」

「それとメイとが……関係あるのか?」

「ある。おおいに、な」

 じーさんの言葉に、細はメイを見下ろして、――固まった。

 メイが、前をまっすぐ向いたまま、泣きながら震えていた。

 今にも崩れ落ちそうになりながら、立っている。

「細。自分が何か強く思ったときに、メイが何かしなかったか?」

 細は、メイとあってからのことを思い出してみた。





「……最初にメイに会ったとき、誰かいないかなって思った」





「……それから?」

「魔術士になるって時に、誰かを道連れにしたくなったとき、メイが秋祭りに誘ってくれた」

「なぜだか分かるか?」

 じーさんの言葉に、細はすぐに答えを見つけた。

 でも言いたくなかった。

「……それは、メイという存在が、細の思いで成ったものだから」

 代わりに、メイが静かに告げた。

「そうだ。メイは、幻成の魔術士の作り出したもの。そしてそれは、魔術士が絶対にやってはいけないもの」

「「……人間を成らせる、こと?」」

 細が言うのと、メイが言うのが同時だった。

「そして、魔術士が禁忌を犯した場合、その魔術士は責任を取らなくてはいけない」

「……どうやって?」

「人間を成らせた場合、その成らせたものを消す。そしてその消し方は」

 じーさんが、言葉を切った。お祭りの喧騒が、遠のいたように聞こえなくなる。

「……力を手放し、思いを断ち切るのだ」





後書き


作者:水沢はやて
投稿日:2011/05/13 15:51
更新日:2011/05/14 21:39
『黄昏幻夢』の著作権は、すべて作者 水沢はやて様に属します。

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